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特定非営利活動法人MATSRA(まつら)

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2020年08月19日 漁業者向け洋上風力発電説明会

先に行われた住民説明会に次いで、今回、初めて漁業者説明会が唐津市で開催されました。会場にはマスコミ含め、60名程参加していました。

 

冒頭、佐賀県新エネルギー産業課から唐津地区の人口や漁業者数の推移、漁獲量の状況などの地域の実情が報告されました。洋上風力発電を誘致することで、陸上から海上まで幅広い産業に経済効果があるメリットが具体的に紹介されました。

 

一方、デメリットは、漁業、船舶航行、景観等への影響が考えられるが、今後、国の促進区域の指定プロセスに基づき、関係者で構成する法定協議会で議論していきたいとし、協議会の設立に理解を求めました。

 

佐賀県の説明の後、専門家から、洋上風力発電の概要、欧州における漁業影響等の実態について紹介されました。

 

その後、唐津沖で洋上風力発電事業計画を公表し、環境影響評価を実施している事業者から、事業内容や地域振興・漁業協調の説明があり、特に漁業に関して、発電所の海域内を漁船で操業できるか、風車が海流に影響しないか、漁業に影響しないかなどへの事業者の考え方が紹介されました。

 

全体の印象としては、身近に洋上風力発電事業の実績が無いことから、見えない取組へ不安を感じる人もいるかなと感じました。

 

私たちも最初は、そのような疑念も抱きましたが、長崎県五島市椛島沖の洋上風力発電を視察し、意識が変わりました。

 

海中での藻場造成、風車支柱やケーブルへの藻、カキ等の付着によるプランクトン、小魚、大魚の発生による漁礁効果、見れない魚が寄ってきたことなどが言葉だけでなく、海中カメラの映像で確認できました。漁業にとって、障害ではなく、ピンチをチャンスにつなげる有効なツールとして活用してほしい。そのためにも早期の見える化が大事と感じました。これまで唐津で漁業を営んできた人たちが、若い人たちに、外国船による乱獲や温暖化で魚が獲れなくなった今の現状を踏まえ、後継者育成か産業転換か、岐路に立っており、そういう状況だからこそ、この取組を利用してほしいと感じました。